「ランチェスターの法則」はご存じでしょうか。
これは簡単に言えば戦争時において戦力の優位性・損失度合いを表す法則のことですが、FPSゲームやTPSゲームなどにおいても活用することができます。
ランチェスターの法則には一次法則と二次法則があり……というとなんだか難しそうですよね。
でも安心してください。驚くほど簡単です。
※やや簡易化して説明してますが、ほとんど省いてません。
小学生でも理解できるかと思います。
ほとんどのFPSやTPSゲームで活用するのは主に二次法則ですが、こちらもまた簡単でかなり有用ですので、対人集団戦で強くなりたい人はこれから解説することをぜひ覚えておきましょう。
目次
ランチェスターの一次法則は主に剣や弓での戦いを想定したモデル
冒頭で解説したランチェスターの一次法則は、主に剣や弓での戦いを想定した旧時代的戦闘モデルにおける法則です。
すなわち、「集団戦とはいっても、実際には一対一の戦いが複数箇所で行われているだけのようなケース」です。
銃を用いたゲームでは、多くの盤面で二次法則が用いられます。
ランチェスターの二次法則は主に銃などの近代兵器を用いた戦闘を想定したモデル
二次法則では、「装備の強さ×兵隊の数”の自乗“」へと変わります。
これがどう効いてくるかというと……
もし仮に、全員が同じ装備を持った同じ強さ(PSやレベルなども含めて)であった場合、3対5だと単純な人数差は倍もないですよね。
ですが、戦力差で考えると自乗で計算となるため、9対25となり、およそ3倍近い戦力差となります。
すなわち、5人の優位な集団が3人を壊滅するのにあたって、誰一人死なないか死んでも一人くらいの戦力交換となります。
銃撃戦において、人数の差はそれだけ戦力差に表れることがわかります。
ランチェスターの二次法則をFPS,TPSゲームに応用する
上で説明しただけだと、「結局人数多い方が有利」ということがわかっただけに過ぎないため、これを活用して戦闘を優位に進めるための方法を解説します。
まず人数が劣っている側、すなわち弱者側がなるべく優位に戦うためには、二次法則が通じない局面に誘い込むことです。
ですがそれだけだと戦力差が緩和されるだけで自軍の負けは動かないため、さらに敵軍の戦力を分散させて局地的に自分側が優位に立つ場面を作ることが重要となります。
人数の少ない側が取るべき戦略
例えば、「二次法則が通じない局面に誘い込む」では、なるべくひらけたところで戦わず、周囲が遮蔽物に覆われており、多角的な攻撃ができないような地形で戦うことが重要になります。
次に最重要である「敵軍の戦力を分散させて局地的に自分側が優位に立つ場面を作る」では、
シンプルに考えてみましょう。
こちらの兵力数が15,相手の兵力数が20で、なおかつ兵士自体の強さが等しかった場合、なんの戦術も持ちいらずぶつかり合えばまずこちら側が負けます。
ところが相手チームの戦力を半分に分断できた場合、局地的に15対10の場面に移り変わります。
15対10の総合的な戦力差は225対100となり、これは分断した10の敵兵士を壊滅させた上で、さらに残った10の敵兵士も相手してなお勝てるレベルとなります。
アプリゲーム「ライフアフター」に応用してみよう
ここでは、荒野行動や第五人格などの有名アプリをリリースしているネットイース社の「ライフアフター」というゲームで応用してみましょう。
シエル争奪戦の場合
1.お宝ハンター
シエル争奪戦の場合、まずは「お宝ハンター」の仕様が大軍の集団行動を許さないシステムとなっています。
よって2~4人の小隊を構築して宝箱を守るために配置し、敵が来たら敵戦力に応じて小隊同士を連携させて自軍戦力の補充を行うのが主流なわけですが、
特に後者は宝箱を守るという本来の目的からも外れてしまい、最悪のパターンになります。
……が、実際かなり多いでしょう。シエルで指揮を執ったことのある上位野営地幹部であれば、「敵が来たら反射的に突っ込んで行く自軍兵」にうんざりしたことのある人がほとんどだと思います。
2.機密文書争奪戦
シエルタウン争奪戦の醍醐味である機密文書の場合、戦略性が非常に高く、真剣に書くととんでもない量になるためやや割愛します。
シエルタウンマップに2つ、決まった時間に置かれる機密文書を奪取し、自軍基地(ヨット)まで持ち帰ることでポイントの入るゲームシステムです。
機密文書は2つあり、なおかつ四つ巴の戦いであるため、敵軍の戦力分布を見極め自軍の戦力をどう分散させるか、あるいは一極集中するかなど非常に悩ませられるゲームです。
機密文書争奪の場合、開始前には大隊を指揮する総指揮官の立てる作戦・および状況に応じた動き方パターンの周知具合などが勝利のポイントですが、
始まってしまうと状況が刻一刻とすさまじい速度で移り変わってしまうため、兵隊にも「的確な状況判断能力」が求められます。
参加野営地のレベルにもよりますが、機密文書争奪が20分以上続くような状況では、ただステータスが高いだけの兵隊ではもう通じないでしょう。
あとは現在の状況を総指揮官に手短に正確に伝えられる連携能力も重要ですね。
ナンシー大会 旗取りルールで旗取らない独自ルールの必勝法
個人で開催されるナンシー大会では、戦うことを目的としてもらうために「システム上は旗取りルールで、独自ルールで旗を取らないようにする」ようにしているところがあります。
……が、これにはほぼ必勝法とも言える戦術がありますので、このルールでの開催はおすすめしません。
ナンシー大会とは、戦いをよりカジュアルに楽しむために、短い時間でより多くのポイントを取ったチームの勝ち、といったゲームシステムです。
システム上、敵チームの「旗を奪って持ち替えることでポイントの入る旗取り戦」と、「いくつかある陣地を奪い合うことでポイントの入る陣取り」戦とがあります。
いずれもそれとは別に、相手チームの敵を倒せばKILLポイントが入ります。
旗を取らない旗取り戦にしてしまうと、ポイントを取るためには相手チームの敵を倒す、逆にポイントを取られないためには相手チームに倒されないことしかありません。
主催者もそれを狙ってそういうルールにしているわけですが、このルールだと「自軍スポーン地点に籠城して待ち構える」戦法があまりにも強すぎて、これを使われるとまず勝てません。
逆にお互いが使うと膠着状態のまま終わってしまいます。
なぜこれが強いかというと、まさにランチェスターの法則。
たとえ相手の方が強くても、戦っていればお互いに消耗してどんどんと人が倒れていきます。
自軍はスポーン地点に籠城しているため、自軍兵は倒れてもすぐ戦線復帰できるために人数差はわずかな間しか生まれませんが、
相手チームの場合は倒れると再び戦線復帰するのに時間がかかってしまい、その間少ない人数で戦う必要があります。
その間に人数差による自乗の戦力差が生まれ、どんどんじり貧に追い込まれてしまいます。
拡散器が使えてバリアの装着もできるならまだマシですが(それでもだいぶキツいです)、こういうルールでの開催の場合、だいたい装備格差を埋めるためにナシナシルールだったりします。
よっぽどの戦力差がある場合でない限り、この戦法を取っていればまず負けないでしょう。
運営公式のナンシー大会である「エリートキャンプ」や「終焉の暁」が旗取りではなく陣取りルールなのは、こういう背景があります。